① 浄士までの道灯り

人が亡くなられて天上の世界へたどりつくまでに、仏教の世界では四十九日間かかるといわれております。
その間故人の魂は、六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人道、天道)という世界をさ迷い歩き七日間ずつ七回の裁きを受け、天道(極楽浄土)へたどりつきます。その為、「極楽浄土まで無事にたどりつきますように」、と願って四十九日間お飾りします。※灯篭が無いと「足元を照らす灯りが無くなり道に迷う」と考えられ、必ずお飾りしました。

②残されたご遺族の拠り所として(自灯明の灯り)

お釈迦様が亡くなる前に弟子に示された最後の教えに「自灯明」という教えがあります。
この教えは、「師が亡くなったら、何に頼ればよいのか」と嘆く弟子に、お釈迦様は「自分の心の中に灯明を灯し、それを拠り所に生きなさい」と諭したというお話があります。これは「自分自身を信じて、しっかり生きなさい、という教えです」嘆き悲しむご遺族の拠り所としてお飾りします。

③仏様へ籍げる供物として

お釈迦様に灯明を捧げたという話は、仏教の経典にも出てきます。
『消えない灯明(長者の万灯より貧者の一灯)』貧しい少女ナンダーがお釈迦様の話に感動し、自分もお布施をしたいと考えました。もちろんお金は無かったが、きれいな黒髪を売ってまでも一灯分の油を手に入れ、お釈迦様にお布施をしました。その灯火はいつまでも消えずに輝いていたそうです。

④ロウソクの代わりとして

灯篭を飾る意味を知らない方でも、四十九日間「灯明(ロウソクの灯り)を消してはいけない」と考える人は多いようです。
近年では安全を考え、「ロウソクの代わりにお使い下さい」とご案内されることが増えております。さらに、LED灯篭の誕生で「より安全なLED灯篭をおすすめしております」とご案内頂ければ、お客様もより安心されます。

⑤おまけ(豆知識)

灯篭の「灯(あかり)」という字の語瀕は、証明の「証(あかし)」の字だそうです。
「故人の生きた証(あかし)として、灯篭を灯して頂きたいものです」
洋の東西を問わず、故人を弔う際には必ず「灯り」が灯されてきました。「魔を払う、悪い物がよりつかない」などの意味があるにせよ、「灯り」は必要な物として考えられてきました。
「灯りを灯す」ということが、人間の本能に刻まれているのかもしれません。

①浄土へ旅立たれることを信じて

蓮の花は、極楽浄士に咲き乱れる美しい花として有名です。
また、泥水の中にあっても美しく清らかな花を咲かせることから、非常に神聖な花とされます。「娑婆(この世)で付いた汚れをすべて浄化して、浄土に旅立って欲しい」「仏様となって浄士に生まれ変わって欲しい」と信じて、お供えします。

②仏様へ捧げる供物として

蓮の花は、仏様の心のあらわれ(慈悲)と考えられています。
また、仏様がお迎えに来られる際、必ず蓮華座と呼ばれる蓮の花の形をした台に乗って来られます。仏様への感謝と故人を無事浄土まで導いて頂けるよう、お供え致します。

③三途の河を渡る舟として

人が亡くなられて天上の世界へたどりつくまでに、四十九日間かかるといわれていますが、7日目に三途の河を渡ります。この河を無事渡らないと浄土にたどり着くことができず、この河をお渡りになるのに、蓮の花をお舟がわりにするとも言われています。